ISO14000Sの概要       HOME 技術資料室  技術用語
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1.ISOとは*国際標準化機構(International Organization for Standardization)
 *1947年設立(本部:スイス/ジュネーブ)、参加国数:約130ヶ国
 *日本は日本工業標準調査会(JISC)が窓口
 *工業製品の国際規格(ネジ、フィルム感度、紙サイズ等)

2.ISOシステム規格
1987年品質のISO9000Sが始まりで、環境は1996年ISO14000Sへと発展。「マネジメント」なる言葉が加わって、環境マネジメントシステム規格(Environmental Management System=EMS)となった。
<ISO14000Sの制定:1996年(平成8年)(第一版EMS)>
ISO規格は、5年毎に見直すことが前提になっている。

3.ISO14000S誕生の背景
人類が行ってきた18世紀以来の大量生産、大量廃棄の価値観を変え、地球環境の悪化をくい止め、改善しなければならない。この地球は私達子孫からの借り物であるとの観点に立って!!
地球再生は人類共通の課題であり、人間の英知が試されている。環境への配慮は、一国の努力だけではなく、国際的な視野を持って取り組むべき緊急課題である。即ち、国、地方自治体、企業、個人すべてが考え行動しなければならない。
地球環境悪化の主体は、地球温暖化(二酸化炭素CO2の排出)、オゾン層破壊(フロンガスの排出)、森林破壊等である。公害(毒物)問題への対応は、これ以前の当然のことである。 
この様な背景をISOが取り上げ、経済界の支援を受けながら環境に関するシステム規格の開発・制定が諮られた。
規格の狙い・要求事項
    ISO14000S:利害関係者の立場で!
    ISO9000S:顧客の立場で!  

4.ISOマネジメントシステム規格の思想
最高経営者層が先頭になって(トップダウン)取り組み、(環境に関わる継続的改善と汚染予防に努めることの)約束(Commitment)をする。
約束に基づいて、そこに働く全従業員を参画させた計画的活動を展開する。
その実施及び運用のためのマネジメントシステムを確立し、その業務手順を文書化して明らかにする。
実施状況は記録し、点検して不適合は是正すると共に予防する。
定期的にマネジメントシステムを見直し、有効に機能しているか自己チェックし向上させる。 

5.ISO14001規格の要旨
法規制の遵守は当然のことであるが、環境パフォーマンスに関する絶対的要求事項を規定するものではない。その組織で独自に認証登録の対象や範囲を決めることができる緩やかなシステム規格である。自らが環境に及ぼす影響を規制し管理する。
規格要求事項は、(Plan) → (Do) → (Check) → (Action)で構成されており、これらを実践して継続的改善を推進することにある。
P:環境方針/計画
   環境側面、法的及びその他の要求事項、目的及び目標、環境マネジメントプログラム
Do:実行及び運用
   体制及び責任、訓練・自覚及び能力、コミュニケーション、環境マネジメントシステム文書、文書管理、運用管理、緊急事態への準備及び対応
Check:点検と是正処置
   監視及び測定、不適合並びに是正及び予防処置、記録、環境マネジメントシステム監査
Action:経営層による見直し
組織の環境マネジメントシステムが、ISO14001規格に適合していることの認証を第三者審査登録機関から取得することにより、社会的評価が得られる
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