合金化亜鉛めっき鋼板(GA: Galva-Annealed Steel) JISG3302 HOME 技術資料室 技術用語
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 溶融亜鉛めっき鋼板は、自動車車体の防錆力を向上させる目的で15 年ほど前から積極的に使用され始め、自動車の寿命延長に多大の貢献をしました。しかし、従来の亜鉛めっき鋼板を自動車車体に使うには以下のような問題点がありました。

1)自動車車体はほぼすべてがプレス成型されるために加工性が必要とされますが、亜鉛は軟らかい金属なのでプレス金型に付着して摩擦係数が大きくなるため、プレス性を劣化させてしまう。

2)自動車車体はスポット溶接で組み立てられますが、亜鉛は融点が低いためガス化して爆飛したり、溶接電極と合金化して手入れの頻度が増えたりする。

3)自動車車体に疵がついた場合に、亜鉛は腐食が速いために塗膜が膨れて外観を損なってしまう。

 これらの性質を改善するために開発されたのが亜鉛を鉄と合金化させた合金化亜鉛めっき鋼板です。

 これは溶融めっき鋼板を加熱処理して、めっき層の亜鉛を地鉄と合金化させたもので、めっき層には 7〜16% の Fe が含まれているために溶接性に優れ、また表面に微細な凹凸があるため塗膜の密着性に優れています。

 この優れた塗装性と溶接性から、自動車・電器・建材等に幅広く使われています。

更にこの上に鉄の含有量の多い層をめっきし、化成処理性とカチオン電着塗装性を向上させたものが新日鉄のシルバーアロイE という商品です。
 

亜鉛を合金化させるためには下図のように、メッキ後に合金化炉で加熱します。
      
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