安全柵の構造基準      HOME 技術資料室 技術用語
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 あらゆる開口部や危険域の周囲には安全柵又は手すりが必要です。日本の安全規則には具体的に記述したものが見当たりませんが、製鉄所で決めた例として下記のようなものがあります。
    

 以下はアメリカの安全規則です。(アメリカOSHA規則パート1910労働安全衛生規則)
    
1910.23 床・壁の開口および穴の防護
1910.23(a) 床開口の防護
1910.23(a)(1)
階段にあるすべての床開口は、本セクションのパラグラフ(e)に従って作られた標準手すりによってガードされなければならない。手すりは、すべての開放された側縁(但し階段への出入口は除く)に設けなければならない。まれにしか使用しない階段で、その開口を横切る通行が、固定標準手すりの使用を妨げる場合(例えば、階段が通路のスペースに位置する場合のように)は、ガードは、標準強度と標準構造の蝶番どめの床開口カバーと、すべての開放された側縁(階段の出入口を除く) に沿って設ける取り外し可能な標準手すりで構成されるものでなければならない。

1910.23(a)(2)
はしご用のすべての床開口、または構台、はその開放された側縁(開口のはしご出入口に当る部分を除く)を、標準のつま先板つきの標準手すりでガードしなければならない。その場合、手すりには通り抜けるための自在ドアを設けるか、あるいは、人が直接開口に向って進むことのないように通行口をずらして設けなければならない。

1910.23(a)(3)
ハッチおよびシュート用のあらゆる床開口は、次のいずれかでガードしなければならない。

1910.23(a)(3)(i)
標準強度と標準構造の喋番留め床開口カバーに標準手すりの付いたもの、または床開口の一辺のみをむき出しのまま残して恒久的な手すりを取り付けたもの。開口を使用しないときは、カバーを閉ざすか、または、開放側の上部と中間部を、取り外し可能な標準手すりでガードしなければならない。

1910.23(a)(3)(ii)
開口の2辺か1辺には、取り外し可能なつま先板付き手すり、および、それ以外の開放辺にはつま先板付き固定標準手すり。開口を使用しないときは、取り外し可能な手すりを、所定の位置に取り付けたままにしておかなければならない。操作の都合でハッチまたはシュートに材料を送り込む必要が生じたときは、人が開口を通って落ちるのを防ぐため、防護がなされなければならない。

1910.23(a)(4)
天窓用のあらゆる床開口および穴は、標準の天窓用スクリーンか、または開放された辺のすべてを囲む固定標準手すりでガードしなければならない。

1910.23(a)(5)
まれにしか使用しないピットおよび落し戸のあらゆる床開口は、標準強度と標準構造の床開口カバーでガードしなければならない。カバーをしていないときは、ピットまたは落し戸開口に、常時看視人を置いて防護するか、または、その開放辺すべてを取り外し可能な標準手すりを置いて防護しなければならない。

1910.23(a)(6)マンホール用のあらゆる床開口は、標準のマンホール用カバーでガードしなければならないが、これは所定位置に蝶番留めする必要はない。カバーを外している間は、マンホール開口に常時看視人を置くか、取り外し可能な標準手すりで防護しなければならない。

1910.23(a)(7)
仮設のあらゆる床開口には標準手すりを設けるか、または、常時看視人を置かなければならない。

1910.23(a)(8)
人が誤って歩み込むおそれのあるあらゆる床穴は、次のいずれかでガードしなければならない。 

1910.23(a)(8)(i)
開放辺すべてに標準つま先板が付いた標準手すり。または、
 
1910.23(a)(8)(ii)
標準強度と標準構造を有する床穴カバー。カバーを外している間は、床穴に常時看視人を置くか、取り外し可能な標準手すりを置いて防護しなければならない。
 
1910.23(a)(9)
(固定された機械、装置、あるいは壁があるために)人が誤って歩み込むおそれのないあらゆる床穴は、1インチ幅以上の隙間を残さないカバーをかけて、防護しなければならない。カバーはしっかり所定の位置に取り付けて、工具や材料の落下を防がなければならない。

1910.23(a)(10)
ドア(扉)またはゲート(柵などの木戸)が階段に向って直接開く場合は踊り場を設け、扉を開いたとき、踊り場の有効幅が20インチ以下とならないようにしなければならない。

1910.23(b) 壁開口および穴の防護
1910.23(b)(1)
落下距離が4フィート以上あるあらゆる壁開口は、次のいずれかによりガードしなければならない。

910.23(b)(1)(i)
レール、ローラー、ピケットフェンス(杭垣)、ハーフドア、または同等のバリア。開口の下部が材料を落す目的でむき出しになっている場合、取り外し可能なつま先板、またはそれと同等の装置を備えなければならない。開口を材料の取り扱い用に使用しないときは、開口のドアの有無にかかわらず、ガードを所定位置に取り付けておかなければならない。更に、開口の各辺には、標準強度および標準取り付けの取手を、その中心が床面から約4フィートのところにくるように、取り付けなければならない。

1910.23(b)(1)(ii)
荷役する資材を吊り上げて載せることができ、サイドレールまたはそれと同等の標準仕様のガードを備えた、繰り出し式講台。

1910.23(b)(2)落下距離が4フィート以上あるシュート用のあらゆる壁開口は、本セクションのパラグラフ(b)(1)に特定したバリア、または状況に応じて必要となるバリア、を1つまたは複数使ってガードしなければならない。

1910.23(b)(3)
階段の踊り場、床、プラットフォーム、またはバルコニーの窓用壁開口で、そこからの落下距離が4フィート以上あり、開口の下側がプラットフォームまたは踊り場の面から3フィート以内にある窓用のあらゆる壁開口は、標準のスラット(小割板)、標準の格子(本セクションのパラグラフ(a)(11)に指定する通りのもの)、または標準のレールによりガードしなければならない。窓開口が踊り場またはプラットフォームより下にある場合は、標準のつま先板を備えなければならない。

1910.23(b)(4)
あらゆる一時的な壁開口は、適切なガードを備えなければならないが、これらのガードは標準構造のものである必要はない。

1910.23(b)(5)
壁穴から資材が落ちる危険があり、穴に近い側の下辺が床上4インチ以内にあり、穴の遠い側が、次の下の階の面上5フィート以上にあるときは、穴は、いずれも丈夫な構造の標準つま先板またはスクリーン囲いで、または本セクションのパラグラフ(e)(11)に指定する通りに、防護しなければならない。

1910.23(c) 側縁が開放されている床、プラットフォーム、およびランウェイ(通路)
1910.23(c)(1)
隣接する床面または地面から4フィート以上の高さにある、開放側縁の床またはプラットフォームは、傾斜路、階段、または固定はしごの出入口となる縁を除くあらゆる開放縁を、標準の手すり(または本セクションのパラグラフ(e)(3)に指定する同等の装置)で防護しなければならない。手すりにはつま先板を設けなくてはならないが、それは次の条件のときは必ず必要となる。つまり、開放縁の下を、
1910.23(c)(1)(i) 人が通り抜けるとき。
1910.23(c)(1)(ii) 機械が移動するとき。または、
1910.23(c)(1)(iii) 装置があり、そこへ材料が落下して危険を生じさせるおそれがあるとき。

1910.23(c)(2)
すべての通路の、床または地面から4フィート以上ある開放側縁は、標準手すり(または本セクションのパラグラフ(e)(3)に指定する同等の装置)により防護しなければならない。工具、機械部品、または資材を通路上で使用する可能性がある場合は、必ずむき出しになった側につま先板を設けなければならない。特殊な目的(例えば、給油、軸系サービス、タンク車への出荷など)に限って使用される通路においては、作業条件が一方の手すりの省略を必要とし、落下の危険が、幅18インチ以上の通路を使うことによって最小にできるのであれば、一方の側の手すりを省略することができる。通路に入る人が、機械、電気装置、その他、落下の危険以外の危険にさらされる場合は、ここに規定するガード以外の補足防護を設ける必要がある。

1910.23(c)(3)
高さに関係なく、側縁が無防備の床、連絡通路、プラットフォーム、または通路が、危険な装置、酸洗いやメッキ用タンク、脱脂ユニット、その他類似の危険物の上方またはすぐ近くにあるとき、これらは標準手すりとつま先板で防護されなければならない。

1910.23(d) 階段の手すりおよびガード
1910.23(d)(1)
蹴上げが4つ以上あるあらゆる階段には、標準の階段手すりまたは標準手すりを、本セクションのパラグラフ(d)(1)(i)から(v)までに指定する通りに、設けなければならない。その場合、階段の幅は手すり部分を除き何の障害物もないものとして測り、

1910.23(d)(1)(i)
幅44インチ以下で両側が囲われている階段の場合は、少なくとも1つの手すりをできれば下るときの右側に設ける。

1910.23(d)(1)(ii)
幅44インチ以下で片側が開けている階段の場合は、少なくとも1つの階段手すりを開けた側に設ける。

1910.23(d)(1)(iii)
幅44インチ以下で両側が開けている階段の場合は、各側に1つの階段手すりを設ける。

1910.23(d)(1)(iv)幅が44インチ以上88インチ以下の階段の場合は、囲われている側に1つの手すりを、開けている側に1つの階段手すりを設ける。
1910.23(d)(1)(v)幅が88インチかそれ以上の階段については、囲われている側に1つの手すりを、また開けている側に1つの階段手すりを、さらにまた、1つの中間階段手すりを、幅のほぼ中央に設ける。 

910.23(d)(2)
らせん階段の場合は、幅6インチ以下の踏み面部分を歩かないようにするため、手すりをずらして設けなければならない。
1910.23(e)手すり、つま先板およびカバーの仕様
910.23(e)(1)
標準手すりは、上部レール、中間レールおよび柱より成り、上部レールの上面から床、プラットフォーム、通路、または傾斜路の面までの垂直高が、公称42インチでなければならない。上部レールの表面は、手すりの全長にわたって、滑らかでなければならない。中間レールは、上部レールと床、プラットフォーム、通路、あるいは傾斜路とのほぼ中央に位置しなければならない。レールの端は、末端の柱から張り出してはならない。ただし、その張り出しが、突出物危険を構成しない場合は、この限りでない。

1910.23(e)(2)
階段手すりは、標準手すりと同種の構造とするが、垂直高が、上部レールの上面から、踏み板の前縁において、蹴上げの面と並ぶ踏み板の表面までで、34インチ以下かつ30インチ以上でなければならない。

1910.23(e)(3)〔保留〕
1910.23(e)(3)(i)
木製手すりの場合、柱は少なくとも2インチ×4インチの幹材とし、 6フィート以内の間隔で配置しなければならない。上部および中間レールも、少なくとも2インチ×4インチ寸法の幹材としなければならない。上部レールが、1インチ×4インチ寸法の2本の角材で作られる場合、柱は、2インチ×4インチ寸法の中間レールを取り付け、中心間の距離8フィートの間隔で配置させてもよい。

1910.23(e)(3)(ii)
管手すりの場合は、柱、上部および中間レールを、少なくとも公称直径1.5インチの管とし、柱は、中心間距離8フィート以下の間隔で配置しなければならない。

1910.23(e)(3)(iii)
構造鋼手すりの場合は、柱、上部、および中間レールを、3/8インチのアールを持つ2インチ×2インチL形鋼、または同等の曲げ強さを持つその他の金属の形材とし、柱は、中心間距離8フィート以下の間隔で配置しなければならない。

1910.23(e)(3)(iv)
すべての種類の手すりの、柱の固定、および手すり部材の組み立ては、完成された構造が、上部レールのあらゆる点であらゆる方向にかけられても、少なくとも200ポンドの荷重に耐えることができる構造にしなければならない。

1910.23(e)(3)(v)
その他の型、寸法、配列の手すり構造は、次の条件に適合する場合は許される。

1910.23(e)(3)(v)(a)
上部レールの表面が滑らかで、床、プラットフォーム、通路、または傾斜路上の高さが公称42インチある。

1910.23(e)(3)(v)(b)
少なくとも最小要求強度200ポンドの上部レール圧力に耐えることができる。

1910.23(e)(3)(v)(c)
上部レールと、床、プラットフォーム、通路、傾斜路、または階段の踏み板との間の防護が、少なくとも標準中間レールによって与えられる防護と同等である。

1910.23(e)(4)
標準つま先板は、その上縁から床、プラットフォーム、通路、または傾斜路面までの垂直公称高さを4インチとしなければならない。つま先板は所定の位置にしっかり取り付け、床面上の隙間が1/4インチ以上あってはならない。つま先板は、開口のない、または、開口があっても最大寸法が1インチを超えない、堅固な材料で作られなければならない。資材を高く積み上げるために標準つま先板が防護の役を果たさない場合は、床から中間レールまで、または上部レールにまで、パネルを取り付けなければならない。

1910.23(e)(5)
1910.23(e)(5)(i)
手すりは、壁または間仕切り壁に直接据え付けられた長さ方向の部材により構成される。具体的には、手すりの下側にブラケットを取りつけ、手すりの上面と両側の面が障害のない滑らかな面になるようにする。手すりは、誰もが落ちるのを避けるためにつかんだときに適切な握りとなるよう、丸味がある断面またはその他の断面のものにしなくてはならない。手すりの端は、支持壁に曲げ込むか、そうできない場合は危険な突出部とならないように配置しなければならない。

1910.23(e)(5)(ii)
手すりの高さは、手すりの上面から蹴上げ面に沿って踏み板の面まで、または傾斜路の面までが、34インチ以下かつ30インチ以上でなくてはならない。

1910.23(e)(5)(iii)
手すりの寸法は、硬木製手すりの場合ならば最小で直径2インチ、金属管の場合ならば最小で直径1.5インチとしなければならない。ブラケット(腕木)は、手すりと壁または壁上の突出部との間に少なくとも3インチの隙間を設けることのできる長さのものでなければならない。ブラケットの間隔は8フィートを超えてはならない。

1910.23(e)(5)(iv)
手すりの据え付けは、完成した状態で、レール上のいかなる点でいかなる方向からかけられても、最小200ポンドの荷重に耐えられる構造となる据え付けでなければならない。

1910.23(e)(6)すべての手すりおよび柵は、手すりまたは柵と、他の物体との間隙が3インチ以下とならないように設けなければならない。

1910.23(e)(7)
床開口のカバーは、次の強度規定に適合する材料のものとしなければならない。

1910.23(e)(7)(i)
堀割りまたは溝のふた、およびそれらの支持装置は、工場道路内に位置している場合は、少なくとも20,000ポンドのトラック後部車軸荷重に耐える設計のものでなければならない。

1910.23(e)(7)(ii)
マンホールのふた、およびその支持装置は、工場道路内に位置している場合、もしあれば、地方の標準高速道路規定に従い、さもなければ、少なくとも20,000ポンドのトラック後部車軸荷重に耐えるように設計しなけれはならない。

1910.23(e)(7)(iii)
床開口カバーは、強度規定に適合するものであれば、いかなる材料で作られたものであっても差し支えない。床面から突き出たカバーでも、その突き出し量が1インチ以下ならば使用してもよいが、カバーの縁のすべてが、水平面に対して30度以下の角に面取りされていなければならない。蝶番、取手、ボルト、もしくはその他の部品のすべては、床またはカバーの表面と同一平面になるようにセットしなければならない。

910.23(e)(8)
天窓スクリーンは、スクリーンのいかなる位置でも、少なくとも200ポンドの垂直方向の荷重に耐える構造と取り付けになっていなければならない。また、通常の荷重や衝撃がかかっても、下向きに歪んで下のガラスを破壊させることがない構造と据え付けでなければならない。その構造は、開口が長さ4インチ以下の格子構造、または開口が幅2インチ以下で長さが無制限のスラット(小割板)構造でなければならない。

1910.23(e)(9)
壁開口バリア(手すり、ローラ、ピケットフェンス、ハーフドア)は、開口の所定位置に設けられた場合、上部レールまたはそれに対応する部材のいかなる点にいかなる方向(上向き方向は除く)からかかっても、少なくとも200ポンドの荷重に耐えられる構造と据え付けのものでなければならない。

1910.23(e)(10)
壁開口のグラブハンドル(取っ手)は長さが12インチ以上であり、壁開口の縁枠から3インチの隙間があるように取り付けなければならない。グラブハンドルの寸法、材料、および取り付けは、完成された構造が、クラブハンドルのいかなる点にいかなる方向からかかっても、少なくとも200ポンドの荷重に耐えられるようにしなければならない。

1910.23(e)(11)
壁開口スクリーンは、スクリーンの近い側のいかなる点にかかっても、少なくとも200ボンドの水平荷重に耐えられる構造と据え付けのものでなければならない。構造は、開口のない構造でも、または開口の長さが8インチ以下の格子構造、または、開口幅4インチ以下長さが無制限のスラット(小割板)構造でもよい。
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