シリコンスケール (Si-Scale)HOME 技術資料室 技術用語
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1.発生状況
この疵は40キロ級以上の熱延鋼板及び酸洗鋼板に現われるもので、鋼中にシリコン(Si) を添加することが原因となっていることから、通常シリコンスケールという名称で呼ばれています。別名、赤スケール又はタイガーストライプ(Tiger Stripe:虎の縞)と呼ばれることもあります。
ひどい場合は虎模様が圧延方向に沿って現れ、鋼板表面に凹凸模様となる場合もあります。
 シリコンスケール疵そのものは有害ではないのですが、見栄えが悪く商品価値を損ないますので、外観を重要視する用途には不向きです。こような用途には鉄鋼メーカーに発注する際にアルミキルド (Alキルド) 鋼を指定する必要があります。
 
2.発生原因
 熱延鋼板や酸洗鋼板で高張力鋼を製造する場合、鋼を強化する元素として、しばしばシリコン(Si)を添加します。この鋼はAl-Siキルド鋼になります。
 シリコンは鋼の強度を上げると同時に延性も高めるため、加工性を必要とするハイテンを作るには優れた元素なのですが、反面、熱間圧延の工程での作業条件によっては、シリコンスケール疵が発生する危険があります。
 右図は熱間圧延板の断面におけるスケールの状況を描いていますが、鋼中にSiが存在すると 2FeO・SiO2 からなるサブスケール (Subscale) 層が発生します。このサブスケールは脱スケール性が悪く、部分的に雲形に残ると シリコンスケールになります。
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