結露の原因と対策    HOME 技術資料室 技術用語
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1.結露発生の原理
(1) 大気は気体の水分(水蒸気)を含んでいますが、温度によって含有できる限界量があり、それを超えると、超えた分の気体としての水蒸気は液体の水となって結露したり、細かい水滴として空気中に浮遊して霧となります。この限界点の温度を露点(Dew Point:DP) といいます。
(2) コイルや鉄板が大気の露点より冷たいと、これに触れた空気中の水分が気体でおられなくなり、一部液体となって鉄板上に結露します。 
(3) 鉄板に触れる空気の量が多いほど(空気が入れ替わるほど)、鉄板に生じる露の量は多くなるので、空気の入れ替わりを少なくすることが結露の被害を少なくする一つのポイントです。 
     
2.結露の対策
(1) 鉄板と周囲の空気を遮断する
@ 工場建屋内に湿度の高い空気の侵入を防止する(窓・ドアー・天井換気扇の閉鎖) 
A 製品に触れる空気を最小限にする(製品にビニールシートを被せる) 
(2) 鉄板の温度を上げる(工場内に温風ヒーターを設置) 
(3) 結露した後の対策としては、鉄板に付着した水分を速やかに取り除くこと、及び早急に処理・出荷して使ってもらうしかありません。特にコイル内径部には結露水が溜まるので、コイル端面から梱包の中に水分が入らぬよう新聞紙などで吸わせて取り除く必要があります。 
    
3.結露の予知
(1) 現場でコイルの温度と大気の露点の変化を連続的に測定し、今後の変化を推定すると、結露が起こる数時間前に予知することは可能です。この原理をシステム化した商品は既に数種類市販されていますが、比較的高価です。 
(2) 実際にコイルや大気の状況変化を現場で調べずに、気象庁のデータから結露を予測するシステムもあります。コイルの温度も所詮大気の温度によって決まるものなので、大気温度からの理論計算です。したがって現場での測定機器は何も必要無いのが特徴です。(例えば日新情報サービス梶j 

4.参考情報
(1) 関東地区の岸壁倉庫の経験では、工場建屋を密閉するのみで過去結露対策は十分であったとの事です。 
(2) 欧州の鋼板関連工場では温風ヒーターで工場内の最低温度管理をしているところが多く見られます。 
(3) 結露が発生してしまったあとの対策として「気化性防錆剤」(不動鋼板工業)なるものが商品化されています。 これは結露水に吹き掛けると防錆効果があるとのことです。
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