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ブリキ及びティンフリースティール JIS G3303 JISG3315
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ブリキ (Tin Plate) 及びティンフリースティール (Tin Free Steel) は用途によって品質要求の程度が大きく変わり、最も難しい食缶用は一旦品質上の問題を起こすと大きなクレームに発展する危険があります。
ブリキよりも安価な容器材料として開発されたのがティンフリー(錫の無い)スチール(TFS) で、ブリキの場合の錫の替わりにクロームやニッケルでめっきした鋼板です。18
リットル缶や乾電池ケース等の一般缶に使われています。塗装性や溶接性を改善した製品が各社から販売されています。カタログ参照
尚、ブリキの原板をブラックプレート (Tin Mill Black Plate:TMBP) と言い、ブリキ用の原板としてのほか、そのままメッキせずに使用される場合もあります。
1.用途と必要品質レベル(左の用途ほど厳しい品質が要求されます)
品質管理 |
用途 |
食缶 |
雑缶・オイル缶 |
缶以外 |
内容物 |
液体飲料 |
魚果物等 |
石油等液体 |
菓子等個体 |
乾電池化粧板等 |
表面欠陥 |
表裏面全品検査要 |
(若干緩い?) |
ピンホール |
不可(ピンホール検出器要、腐食・液漏れの原因) |
オフゲージ |
不可(厚み計要、缶の真円度に影響) |
直角度 |
±0.15mm程度?(印刷ズレの原因となる) |
長さ精度 |
-0,+0.5mm程度?(製缶時の加工精度に影響する) |
バリ |
≦5ミクロン |
≦10ミクロン |
LC反り |
吊り下げで< 20mm |
|
2.材質による分類
テンパー |
目標硬度
(HR30T) |
目標耐力
(N/mm2) |
用途例 |
T-1 |
49±3 |
− |
超深絞り缶用 |
T-2 |
53±3 |
− |
深絞り缶用 |
T-2.5 |
55±3 |
− |
缶の胴・蓋 |
T-3 |
57±3 |
− |
〃 |
T-4 |
61±3 |
− |
靭性を要する一般缶 |
T-5 |
65±3 |
− |
挫屈強度を要する大型缶 |
T-6 |
70±3 |
− |
|
DR-8 |
73 |
550 |
ビール・炭酸飲料缶の胴・蓋 |
DR-9 |
76 |
620 |
〃 |
DR-9M |
77 |
660 |
ビール・炭酸飲料缶の蓋 |
DR-10 |
80 |
690 |
ロイヤルキャップなど |
3.付着量
3-1)ブリキのすず付着量
記号 |
区分 |
表示記号 |
呼び
付着量
(g / m2) |
最小平均
付着量
(g / m2) |
旧記号 |
備 考 |
SPTE |
等厚めっき |
2.8 / 2.8 |
2.8 / 2.8 |
4.9(両面) |
#25 |
1)最小付着量は3点平均の値
2)付着量の分子は切板の下面又はコイルの内面/分母は切板の上面又はコイルの外面の付着量を表す。 |
5.6 / 5.6 |
5.6 / 5.6 |
10.5(両面) |
#50 |
8.4 / 8.4 |
8.4 / 8.4 |
15.7(両面) |
#75 |
11.2 / 11.2 |
11.2 / 11.2 |
20.2(両面 |
#100 |
差厚めっき |
5.6 / 2.8 |
5.6 / 2.8 |
5.05 / 2.25 |
#50 / 25 |
8.4 / 2.8 |
8.4 / 2.8 |
7.85 / 2.25 |
#75 / 25 |
8.4 / 5.6 |
8.4 / 5.6 |
7.85 / 5.05 |
#75 / 50 |
11.2 / 2.8 |
11.2 / 2.8 |
10.1 / 2.25 |
#100 / 25 |
11.2 / 5.6 |
11.2 / 5.6 |
10.1 / 5.05 |
#100 / 50 |
11.2 / 8.4 |
11.2 / 8.4 |
10.1 / 7.85 |
#100 / 75 |
SPTH |
等厚めっき |
12.3 / 12.3 |
12.3 / 12.3 |
19.0(両面) |
#110 |
14.0 / 14.0 |
14.0 / 14.0 |
22.4(両面) |
#125 |
15.1 / 15.1 |
15.1 / 15.1 |
23.5(両面) |
#135 |
16.8 / 16.8 |
16.8 / 16.8 |
26.7(両面) |
#150 |
3-2)ティンフリースティールのクロム付着量
|
最小平均付着量
(mg/m2) |
最大平均付着量
(mg/m2) |
TFSのめっき層は金属クロム層とクロム水和酸化物層の2層からなり、それぞれ片面1m2あたりの金属クロム及び水和酸化物中のクロムの付着量で表す。 |
金属クロム |
50 |
150 |
水和酸化物中の
クロム |
5 |
35 |
4.鋼種による分類
鋼種 |
特 徴 |
MR |
耐食性に優れるため容器をはじめ広く使われている |
L |
特定食品に対して優れた耐食性を持つ |
D |
深絞り加工やリューダースバンド対策 |
5.表面仕上げによる分類
記号 |
内 容 |
備 考 |
B |
ブライト仕上げ |
錫の金属光沢を持った鏡面 |
R |
粗面(ダル)仕上げ |
軽いつや消しで疵がつきにくい |
S |
シルバー仕上げ |
|
M |
マット仕上げ |
つや消しで印刷インクの密着性が良好 |
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