平刃に掛かる剪断時の発生応力    HOME 技術資料室 技術用語
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 一般的な平刃による切断に要する力は概略下記の計算で推定できます。
平刃のレーキ角度を θ°、板厚を t mm とすると、切断長さLは L= t/tanθ なので概略の剪断面積Aは
 A=( t×L )/2=t2/2tanθ
SPCCの剪断強度 τ は TS=330 N/mm2 の場合で τ=280 N/mm2 なので(次項参照)、剪断力 F は
 F=A × τ =280× t2/2tanθ (N:ニュートン)
で計算されます。

    
仮に平刃のレーキ角θ=5°の場合で計算すると下表になります。tan(5°)=0.0875
t(mm) θ(度) F(N)
0.8 5 1,024
1.6 5 4,096
2.0 5 6,400
2.6 5 10,816
3.0 5 14,400

 実際にはこの剪断面Aを同時に剪断するわけではなく左端から徐々に剪断して行くので、この値よりもピーク値は低くなり、経験的には約半分以下の最大剪断力になるようです。
実際の応力を調べるためには、平刃又はその支持装置にストレーンゲージを貼り付けて発生する最大歪を実測して応力を算出する必要があります。

(参考)
 材料の強度には引張に対する強度=抗張力(TS)と剪断に対する強度=剪断強度(τ)があり、両者は相関はありますが、別の特性です。下記参照。
        

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