スリッターラインルーピングピットの必要深さ HOME 技術資料室 技術用語 英文版
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 多条切りしたスリットコイルを1本の巻取リールで巻き取ると、母材に幅方向の板厚差(クラウン)があるために中央部が端部に比べて巻取り径が大きくなります。ところが、どのスリットコイルも同じ回転数で巻き取られるため、巻取り速度に差が生じるので、この差を吸収するためにルーピングピットが必要です。
 このルーピングピットの深さがどの程度必要かの計算は以下のようになります。なお、この深さはパスラインからの深さになります。
各コイル重量を全量巻き取った場合のセンター部コイルと端部コイルの長さの差
  Case-1 Case-2 Case-3 Case-4 Case-5 Case-6
母材コイル重量 W ton 18 18 18 18 18 18
公称板厚 tc mm 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5
母材板幅 A mm 1,650 1,650 1,650 1,200 1,200 1,200
コイル全長 L1 m 2,779 2,779 2,779 3,822 3,822 3,822
中央部と端部の板厚差(クラウン) −μ −4 −6 −8 −4 −6 −8
中央部コイルの巻取り外径 B1 mm 1,424 1,424 1,424 1,641 1,641 1,641
巻き数 T 916 916 916 1,133 1,133 1,133
端部コイルの巻取り径 B2 mm 1,417 1,413 1,410 1,632 1,627 1,623
端部コイルの巻取り長さ L2 m 2,769 2,764 2,758 3,806 3,797 3,789
巻取り長さの差 L1-L2 m 10.5 15.8 21.1 16.1 24.2 32.2

巻取り長さの差を吸収するに必要なピット深さの計算 D=y(b/2)-y(0)=a cosh(b/(2a)) -a
Case-1 Case-2 Case-3 Case-4 Case-5 Case-6
ピット(カテナリー)の長さ b mm 5,080 5,080 5,080 5,080 5,080 5,080
カテナリー係数 a 1.14 0.88 0.77 0.87 0.72 0.65
カテナリーの長さ Lc m 10.5 15.8 21.1 16.1 24.2 32.2
カテナリーの深さ(パスラインから) D m 4.2 7.1 9.8 7.2 11.4 15.5
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