ISO9000の本質        HOME 技術資料室  技術用語
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ISO9001の認証取得はしたけれど、初回審査の時に、社長が審査員の質問に答えたような(決意表明)成果が一向に上がっていないと嘆く企業が多いのが実体です。
 定期審査のたびに慌てて準備し、審査員の顔色を伺って、指摘事項が少なくて良かった(審査員がまけてくれた)等と喜んではいないですか?
 ISOは、その活動成果が得られ、有効性を皆で共有化できて初めて取得の意義があります。
初心に戻って、ISOの本質をもう一度考えてみましょう。

1.ISOの活動成果とは
ISO活動の成果は、簡単に言えば「品質方針に基づいて設定した品質目標が、計画通り達成されている」ことですが、そう簡単に品質目標は達成できないはずです。そこで何故達成できないのか、どうすれば達成できるのかをISOの手法(PDCA)を駆使して活動することになります。これは何もISO活動ではなく、企業活動として日頃から取り組んでいることそのものです。
 具体的成果としては、品質目標設定項目にもよりますが、クレームが減った、受注量が増えた、コストが下がった、歩留りが上がった、納期達成率が上がった、結果として顧客の評価が上がった、結果として皆が生き生きと働くようになった等々いろいろありますが、これらが自覚出来たかどうかです。

2.ISOの有効活用とは
 ISOで成果を上げるには、ISO9001のシステムを利用して、組織の目的が達成出来るよう上手く使うことです。事業運営の目的に対してビジネス環境や将来像をしっかり捉えた上で、業務活動を>ISO9001に合わせるのではなく、逆にISO9001を業務活動に合わせていくという姿勢が必要です。そして品質に関わるところで組織はどんな目的を持つか明確にし、自分達はどうあるべきかを認識することが大切です。

3.ISOの本質
1) 評価の対象は「管理のシステム」です。
技術を如何に使い、どう生かすか、そのための管理システムは機能しているかを評価するものです。「管理システム」の持つ意味を良く理解することが大切です。

 
2) 評価の視点は要求事項への「適合性」です。
規格の「評価基準」に照らして審査されます。組織の目的に相応しいかどうかは審査されません。

 
3) ISO9001が要求するのは「品質保証+α」です。
品質保証とは、品質要求事項を満たす能力があることを実証する信頼感であり、αは「顧客満足」と「継続的改善」です。

 
4) 審査の観点は、「計画通り実施されているか」です。
計画がどんなに優れていたも、実体がポロポロこぼれるような品質トラブルが出るようでは意味がありません。

 
5) 従来の日本での品質管理の方法とは思想的に異なります。
自主管理は日本以外では通用しません。内容に精通した人達で決めた「手順」に従って、決められた通りに「自分の仕事の範囲」をやるというのがISOの基本思想です。
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